続・とりあえずの映画鑑賞メモ

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「八重子のハミング」(2016/アークエンタテインメント)

《『半落ち』、『ツレがうつになりまして。』の佐々部清監督が“現代の智恵子抄“とも評された陽信孝の同名著書を映画化。山口県萩市を舞台に、4度のガン手術から生還した夫と、若年性アルツハイマーを患い徐々に記憶をなくしていく妻との愛情に溢れた12年間の軌跡が、原作者が詠んだ“三十一文字のラブレター(短歌)“とともに綴られる。》

これまた「追憶」に負けずベテランの仕事を見せてもらったという思いで姿勢を正したくなるような作品で、若年性アルツハイマーの奥さんを全身で介護する夫の深い思いに心打たれた。

年齢的に近いものがあったので身につまされるところも多くて、老老介護ともなるときれいごとではすまないと思いながらも、優しさや思いやりの大切さを思い知ったというか、介護だけでなく、教員であった夫婦が蒔いた“教育の種”が教え子たちの心に豊かに実っていく様子にも感動、怒りには限りがあるけど優しさには限りがないという台詞も印象的で、萩や下関の美しい風景や、奥さんが好きだったという谷村新司さんの歌も心に沁みた。

見慣れた俳優さんたちでなかったのも新鮮だった、夫婦役を演じた升毅さんと高橋洋子さんに拍手!

あらすじ
あるホールの演台に立つ白髪の老人、石崎誠吾は、若年性認知症を患った妻、八重子の介護を通して経験したこと、感じたこと、そしてふたりの思い出を語り始める。ふたりは教員時代に巡り会い結婚するが、八重子は長い時間をかけて少しずつ記憶を失っていく。


112分

監督
佐々部清

出演
升毅
高橋洋子
文音
中村優
安倍萌生
辻伊吹
二宮慶多
上月左知子
月影瞳
朝加真由美
井上順
梅沢富美男

有楽町スバル座18:30~観客60人程/270席